渚想録

Summer Event

───これは、夏の砂に綴る、名もなき想いの記録。
   ───遠く海の向こうから届いた、小さな夏の招待状。

制服を脱ぎ、魔法の喧騒を離れて、 
ひとときだけ素顔のまま過ごす、
三泊四日の臨海学校。 

 青く深い海を、クルーズ船でゆるやかに四時間。 
潮風と陽光に包まれて、旅のはじまりは静かに動き出す。 

辿り着くのは、学園が長年守り育ててきた無人島。 
頻繁に人の手が入り、きちんと整備された施設と、 
その隙間に息づく、豊かで静かな自然。 

 島の奥には豊かな森があり、
 木々の間をすり抜ける風の音に混じって、 
見たことのない生き物たちの声が、遠く近くに響く。 

海は澄みきっていて、 陽を受けて揺れる水面の下では、 
きらめくように泳ぐ魚や、
静かに漂う魔法生物の姿が目に映る。

 ──海辺の朝に目を覚まし、
白砂を駆け、
潮風に笑い、 
夕暮れには火を灯し、
静かに言葉を交わす。 

そのすべてが、心のどこかに残っていく。 

──この島で過ごす、たった三泊四日。 
けれどきっと、その短さが愛おしくて、記憶になる。 
歩いた白砂も、誰かと笑った水辺も、
潮がさらっても、心の奥に残るだろう。 

名簿にも記録にも残らない、けれど確かに生きた夏。 
夢映の夏にだけ綴られる、静かな物語。

 それを、人は──
渚想録(なぎさそうろく)
と呼ぶのかもしれない。


🎼 恥ずかしいか青春は / 緑黄色社会

「今しかできない事がある」
「有限だから最高だ!」
風渡島(ふうととう)


──夜を共にする部屋は、海辺のホテル。

風にきしむ障子の音が落ち着く和室か、
陽の光が差し込む洋室かは、
訪れてみてのお楽しみ。

三つのグループが、ひとつの部屋に肩を寄せ合い、
その夜だけの、ささやかな居場所をつくる。 

 静かに語らうもよし、静かに眠るもよし。 
もし気が合えば、そっと隣の部屋にお邪魔するのも、
──同性同士なら、誰も咎めはしない。 

 波の音に包まれて、その夜だけの距離と時間が、
やわらかく、静かに満ちてゆく。
  • 🌅朝食
    朝のレストランホールには、
    静かなバイキングの香りが漂う。
    毎朝テーマが決まっていて、
    たとえば「和朝食の日」や
    「パンとスープの日」など。

    けれど、テーマ外の軽食や
    定番メニューもきちんと揃っており、 
    好きなものを自由に選べる、
    やさしい朝の始まり。 

    早起きの生徒には、
    数量限定の外に持ち出せる“浜辺セット”も人気。
  • ☀️昼食
    昼は活動の合間、ほどよく空腹になった頃に、 
    選べるランチプレートが用意される。 

    レストランホールでゆっくり味わうことも、
    お弁当スタイルにして、
    浜辺や木陰へ持ち出すこともできる。 

    日によって、料理の雰囲気や彩りが少しずつ変わるのも
    楽しみの一つ。 
    潮風に吹かれながら、誰とどこで食べるかは、
    その日の気分次第。
  • 🌙夕食
    夜のレストランホールは、
    時間ごとにやさしく灯りがともる。
    決められた時間内であれば、
    好きなタイミングで訪れてよい。

    席に縛られず、海の見える窓辺で静かに食べたり、
    誰かと話しながら長く過ごしたり、
    過ごし方は人それぞれ。 

     料理は日ごとに趣向を変えた「海辺の晩餐」。
    その土地の素材を使った和洋折衷の一皿たちが、
    疲れた身体をゆっくりと包む。